(西武ドーム、西武12-10近鉄)

東京へ行く用事もなかったので、この日はなんとなく西武球場で行われた首位攻防の一戦を見に行った。

今年の西武の強さはあらためて書くまでもなく、見ているほうもどこが優勝するかというより、どこか西武を止めるところはないのか、という方に興味が行ってしまうのは仕方のないところで、実は去年優勝していたらしい近鉄などはそのもっとも有力というか、唯一の候補といえよう。

さて、いつものように試合開始の10分ほど前に「西武球場前」駅に着いてみてびっくり、入場券売り場には長蛇の列ができていた。一体これはどうしたことだ、ここは本当に西武球場なのか?

形だけとはいえ首位を争う近鉄との試合であるとか、久方ぶりに松坂君の登板が見られるとか、ファンクラブ入会特典の指定席引換券の期限が8月いっぱいで切れるとか、まあ色々と理由はあるのだろうが、ファイターズのオバンドー氏(外国産)が「ここは本当に東京か、いつもの渋滞した道はどこへいったんだ」と気味悪がったというお盆休みでみんな暇だというのが主な理由であろう。

30分ほど並んだ挙句にやっとの思いで券を手に入れ、球場内に入ったときには試合は2回の表に入ったところ、すでに松坂は2点を失っていた。どうしたことかと思う間に先頭の吉岡がホームランで3点目、続く大村がヒットで出て(中略)二死二塁で9番に格下げされている礒部から怒涛の連打が始まり、そのうえ松坂から代わった三井も松坂の残した走者をきれいにお掃除する始末でまったく冴えがない。結局この回の攻撃で本塁まで帰ってこなかったのは阿部と古久保の二人だけで、入った点は実に7点。

よりによってこの大観衆の目の前でなんて試合を見せるんだ。わしの後から入ってきたお客の中には、早々にノックアウトされた松坂の姿さえ見られなかった人だっている(確認済)。ただでさえリーグ1の客寄せパンダの座をダイエーの某投手に奪われそうだという自覚はあるのだろうか。

などと、試合の行方などはそっちのけでこんなくだらないことを考えていたのは私ばかりではないはず。少なくとも3回を終わった頃までは。

ところが西武はやっぱり西武だった。「負け碁の打ちやすさ」とでも言うのか(誰がわかる?)、大差の試合を追いかけるのはかえって思い切りが良くなれるもの。近鉄先発パウエルを攻めること、連打連打に重盗未遂、バントヒットとやりたい放題。挙げ句の果てに代わった赤堀からカブレラがお約束の場外弾。その後も勢い止められず、先に9点取ったのに、4回裏にもう逆転。

終盤近くなってから、試合の流れやチームの士気とは全然関係なく快打を飛ばすという特技があるらしい吉岡が2本目のホームランで一旦は追いつくもののそれだけのこと、結局は勝越し決勝2ランを打った松井カズオがお立ち台に上がるという、お約束どおりの結末が待っているばかりであった。

敗戦投手は三澤だったが、パウエル・赤堀の両氏はその日のうちに大阪へお帰りになったに違いない。出番は早々に済んでいたから、そのまままっすぐ東京へ向かえば新幹線には間に合ったはずだ。

帰り道はとても叫んだり暴れたりしたい気分だったが、実際に叫んだり暴れたりしている人たちがいてとても怖かったので、おとなしく帰ることにした。


うがー

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