(東京ドーム、日本ハム−ダイエー)
※ダイエーの打撃練習につきスコアは略

朝からずっとぐずついた空模様で、雨も降ったり降らなかったりが夕刻に至るまで続いていたが、もし空の見える日であれば空が暗くなってくるはずの5時を過ぎるころになって急に雨足が強くなってきた。

経験したことがあればわかるだろうが、東京ドームの周りの敷石は水に濡れると滑りやすくて大変危ない。当地を訪れるのは初めてであろう修学旅行生とおぼしき団体が滑る足元を面白がってはしゃいでいるのを横目にやや急ぎ足で入場し、いつもの外野席にて試合開始の合図を聞くころには天井を叩く雨の音がドームの中に不気味に響き渡っていた。

ハム先発は昨年度の新人王ながら敗戦続きで後のない正田、対するダイエー先発は新人ながら正田よりもはるかに好成績らしい和田という、左腕同士の対決だ。ハムは例によって9人中7人という右打者中心の打線を組むが、ダイエーは村松・柴原・ペドロ・松中と普段通りの打線で臨んでくるところに、何かの差を感じずにはいられない。


で。


初回にエチェバリアの先制弾で早くも2点を勝ち越すが、2回表に突然正田が乱れ出す。それこそ誰にどこへ打たれたのか思い出せないくらい、ヒットヒットと連打の嵐。四球一つをはさんだものの、イニングの合間に誇らしげに紹介されるファイターズの過去の記録集にある「9人連続安打」の敵味方を裏返して見せられたようなものだ。

一向に弱まる気配も見せない豪雨の中、とうとう正田は一つのアウトも取れずに、6失点と満塁の走者を残して「背番号18」にマウンドを譲った。過去の栄光を知る客席から上がるそれなりの歓声と、大画面に映る中継ぎ投手としては過剰とも思える演出とともに登場する元エース。そしてやはり大仰な彼の登場テーマ曲が流れようというまさにその時、低く雷鳴が轟いた。

どどん、どんごろごろごろごろごろごろごろ

「見ろ、天も怒っているぞ」
何処からともなく声が上がる。(※)

いつもならば熱狂的なダイエー応援団の歓声ばかりが目立つだろう場面で、それはむしろ逆境に負けてなるかの気持ちを奮い立たせるものだが、人の力の及ばぬ天空で不気味に鳴り響き、ある意味荘厳な感じさえ受ける天の怒りの声に、絶望的で沈鬱な心持ちにさせられるのだった。

結局元エース岩本は正田の遺産の3走者を生還させ、計9失点としてようやく悪夢の2回表を終わらせた(この回の自責点0)。

その後もバルデスが2ランを、唯一無安打だったネルソンもホームランを放ち、着実に加点しつつも全員安打という余計な記録までも上積みされる。

中盤に入ってようやく雨の勢いが弱まってきたころには、試合の方もまた落ち着きを取り戻していた。だが、悪い夢から醒めて正気に返った私らの目に入るのは、冗談みたいな点差を映すスコアボードなのであった。おわり。


疲れた。

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※ご存じない方がどう思われるかはわからないが、ハム応援席には、実際にこういう事を口にする人がいるのである。決してよく出来た冗談ともいえないが、このときのライトスタンドには、この発言を哂うこともできないほど沈鬱な空気があったのだ。私の文からは読み取れそうにないので、ここに追記しておく。
・小笠原がいつの間にか打率一位(定位置)に戻っていたらしい
・正田くん、得意のカーブでストライク取れず
・岩本氏、上に同じ

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